元・金融OLの本棚

金融業界に返り咲きました。つれづれなるままに読んだ本について語る読書ブログ。

2021-01-01から1年間の記事一覧

車輪の下

『車輪の下』ヘルマン・ヘッセ(高橋 健二 訳) オススメ度 ★★★★☆ 前回記事から少し間が空いてしまいました。今回はヘッセの代表作『車輪の下』についてつづっていきます。 本作のテーマは、青年期における自我の確立ではないでしょうか。ドイツの神学校での…

華氏451度

『華氏451度』レイ・ブラッドベリ(伊藤 典夫 訳) オススメ度 ★★★★☆ 今回は、アメリカ国民文学として盤石な地位を築きつつある、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』です。 いわゆる「ディストピア小説」の一種で、ありていに言えば「考えることの大切さ」と…

ロックダウン

『ロックダウン』ピーター・メイ(堀川 志野舞・内藤 典子 訳) オススメ度 ★★★★☆ イギリスの人気作家、ピーター・メイの初期作を翻訳で読んでみました。 タイトルからも分かるかもしれませんが、死亡率80%という新型ウィルスが大流行するロンドンが舞台の…

二重に差別されている女たち ないことにされているブラック・ウーマンのフェミニズム

『二重に差別されている女たち ないことにされているブラック・ウーマンのフェミニズム』ミッキ・ケンダル(川村 まゆみ 訳) オススメ度 ★★☆☆☆ まず最初にお断りしておきたいのですが、ここでオススメ度を★2という低評価にしたのは9割翻訳のせいです。正直…

モモ

『モモ』ミヒャエル・エンデ(大島 かおり 訳) オススメ度 ★★★★★ 小学生のころに図書館から借りて読んだのですが、大人になってもう一度読み直そうと思い、あらためて岩波少年文庫版を購入してみました。 舞台はヨーロッパ(イタリア?)らしきある都市。浮…

銃・病原菌・鉄

『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイアモンド(倉骨 彰 訳) オススメ度 ★★★★☆ いつもは小説について記事をあげているのですが、今回は少し趣向を変えて、ピューリツァー賞など数々の賞を受けた著作についてご紹介しようと思います。 この『銃・病原菌・鉄』で…

イン・ザ・ハイツ

『イン・ザ・ハイツ』ジョン・M・チュウ 監督 / リン=マニュエル・ミランダ 原案 オススメ度 ★★★★★ 読書ブログといいながら、先日観た映画が良かったので、ご紹介しようと思います。その名も『イン・ザ・ハイツ』。2005年に初演された同名ミュージカルの映…

変身

『変身』フランツ・カフカ(高橋 義孝 訳) オススメ度 ★★★★★ 前回の『存在の耐えられない軽さ』につづき、はからずもチェコ人作家による作品についての記事が連続してしまいました。 一般的には、ミラン・クンデラよりもカフカの方が有名ですね。不条理を描…

存在の耐えられない軽さ

『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ(千野 栄一 訳) オススメ度 ★★★☆☆ こちらも友人たちとの読書会のために読みました。 チェコの亡命作家ミラン・クンデラによる世界的ベストセラーとのことですが、恥ずかしながら、友人に紹介されるまで知りませ…

斜陽

『斜陽』太宰 治 オススメ度 ★★★★☆ 実は大学生の頃にも一度読んでいた『斜陽』。 今回、友人と読書会をするにあたって、もう一度読んでみました。 最初に読んだときは、正直何も分からず、今回読み直すにあたってもまったく内容を覚えていなかったのですが、…

1984

『1984』ジョージ・オーウェル(田内 志文 訳) オススメ度 ★★★☆☆ 教養として一度読まなければなぁ、と思っていたオーウェルの『1984』。 どうやら、この角川文庫のバージョンは新訳みたいですね。 さて、『1984』を読まれた皆さん、どのような感想を抱かれ…

オー!ファーザー

『オー!ファーザー』伊坂 幸太郎 オススメ度 ★★★★★ 伊坂作品ってすごい好きなんですよね。 今まで出版されている著作をすべて読んでいるわけではないんですが、家にあるだけでも10冊は軽く超えるくらい。 私の場合、各作家の代表作を読むことが多くて、ひと…