元・金融OLの本棚

金融業界に返り咲きました。つれづれなるままに読んだ本について語る読書ブログ。

2022-01-01から1年間の記事一覧

飛ぶ教室

『飛ぶ教室』エーリヒ・ケストナー(丘澤 静也 訳) オススメ度 ★★★★★ クリスマスにぴったりの物語といえば、このケストナーの『飛ぶ教室』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 母親が好きな物語なのでずっと薦められていたのですが、社会人になっ…

永遠の出口

『永遠の出口』森 絵都 オススメ度 ★★★★ 本日は、小学生の頃に『カラフル』を読んで以来大好きな森絵都の『永遠の出口』を紹介します。この『永遠の出口』も小学生の頃に初めて読んで、それ以来中学生、高校生、大学生と折に触れて読み返してきた大好きな作…

服従

『服従』ミシェル・ウエルベック(大塚 桃 訳) オススメ度 ★★★☆☆ 今回はミシェル・ウエルベックによる『服従』です。もしもフランスでイスラーム政権が誕生したら…というトンデモ設定が興味深い小説ですが、フランス社会や政治、宗教を取り巻く状況など、フ…

アイネクライネナハトムジーク

『アイネクライネナハトムジーク』伊坂 幸太郎 オススメ度 ★★★★☆ 久しぶりに現代日本作家の作品を読んだのですが、またまた伊坂幸太郎です笑 だって好きなんですもん。 『アイネクライネナハトムジーク』は伊坂氏お得意のミステリーではなく、ほんのり恋愛小…

ムントゥリャサ通りで

『ムントゥリャサ通りで』ミルチャ・エリアーデ(直野 敦 訳) オススメ度 ★★★★☆ 今回も友人との読書会用に読んだ小説のご紹介。ミルチャ・エリアーデは宗教学者として存じ上げていましたが、小説も書いていたんですねえ。いわゆる「幻想小説」と呼ばれるも…

逃れる者と留まる者

『逃れる者と留まる者 ナポリの物語3』エレナ・フェッランテ(飯田 亮介 訳) オススメ度 ★★★★☆ いよいよ『ナポリの物語』シリーズも三作目となりました。一作目『リラとわたし』や二作目『新しい名字』とは異なり、三作目では主人公エレナの活躍の場が広が…

新しい名字

『新しい名字 ナポリの物語2』エレナ・フェッランテ(飯田 亮介 訳) オススメ度 ★★★★☆ 前作である『リラとわたし』の感想を書いてからだいぶ時間がたってしまいました。美しい海の表紙が目に眩しい二作目ですが、二作目の肝となる部分が南イタリアの美しい…

茶の本

『茶の本』岡倉 天心(桶谷 秀昭 訳) オススメ度 ★★★★☆ 今回は読書会に向けて読んだ『茶の本』です。 『茶の本』は、岡倉天心が西洋人に向けて日本の精神性を紹介するために英語で著したもので、ゆえに日本人の著作にもかかわらず訳者が存在しています。言…

金閣寺

『金閣寺』三島 由紀夫 オススメ度 ★★★★☆ 久しぶりに日本文学を読みました。 なんとなく翻訳ものを読みがちなんですよね…。 三島由紀夫を読んだのは実はこの『金閣寺』が初めてなのですが、『金閣寺』の場合は日本文学といっても「美」の観念だとかイデア論…

失われた時を求めて スワン家のほうへⅠ

『失われた時を求めて スワン家のほうへⅠ』マルセル・プルースト(吉川 一義 訳) オススメ度 ★★★☆☆ ここのところ忙しく、だいぶブログの更新をサボってしまっていました…。前回の記事から何冊か読了している本はあるので、ゆっくり更新を再開していこうと思…

リラとわたし

『リラとわたし ナポリの物語1』エレナ・フェッランテ(飯田 亮介 訳) オススメ度 ★★★★★ 2022年一発目の記事は、イタリアの現代作家エレナ・フェッランテによるベストセラーで始めたいと思います。 ●あらすじ 主人公エレナは地区の小学校でもずば抜けて頭…