元・金融OLの本棚

金融業界に返り咲きました。つれづれなるままに読んだ本について語る読書ブログ。

飛ぶ教室

飛ぶ教室エーリヒ・ケストナー(丘澤 静也 訳)

オススメ度 ★★★★★

クリスマスにぴったりの物語といえば、このケストナーの『飛ぶ教室』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 母親が好きな物語なのでずっと薦められていたのですが、社会人になってから何年もたってやっと読むことが出来ました…。

同じドイツのギムナジウムを描いた『車輪の下』とは異なり、人間の明るさや強さにスポットライトが当てられた非常に清々しい物語です。児童文学として分類される向きもありますが、大人が読んでも十分に面白く、学びを得ることのできる本だと思います。

 

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物語のメインは主人公を含めたギムナジウムの男の子たちの友情であり、彼らを見守る「正義さん」「禁煙さん」の大人の男の友情でもあるでしょう。クリスマスには奇跡が起こると相場が決まっていますが(?)、クリスマスの奇跡とは案外人間の他者を想う気持ちが引き起こすものなのだと感じさせてくれる作品です。

それにしても、「正義さん」や「禁煙さん」のように立派な大人に私たちはなれているのでしょうか…。